WiMAXは直進性の高い準マイクロ波を利用したモバイル回線であるため、建築材によっては室内に電波が届かず受信状況が悪化することがあります。
しかし、室内でWiMAXの電波が届かなくてもすぐに諦めてはいけません。
WiMAX機器を窓際に設置したりリフレクターを利用したりすることで電波状況を改善することができます。
またホームルーター、WX04やWX05と拡張アンテナ付きクレードルの組み合わせを利用するのも1つの手です。
さらに無線LAN中継器やクレードルに市販の無線LANルーターを組み合わせて使うなど状況に応じた対策を講じることができます。
対策によってはお金が必要なものもあるため、更新月が近い場合や古い端末を利用しているなら思い切ってプロバイダを乗り換えてみるのも良いでしょう。
場所によっては繋がりにくい場所も
WiMAX2+に限らずモバイル回線を契約する際に最も心配なのが、自分の生活圏での繋がりやすさでしょう。
WiMAX2+はdocomo等キャリアの持つプラチナバンドと呼ばれる繋がりやすい周波数を持っていません。
当然繋がりにくさを感じさせないよう基地局の整備を積極的に進めているのですが、地下や屋内の繋がりに少し遅れを取っているのは事実です。
ただし地下や室内でWiMAXの電波が届きにくい場合でも、提供エリア内ですぐ外まで届いていることが分かっているのであればすぐに諦めず、以下にあげる4つの対策を検討しましょう。
対策1:ホームルーターやクレードルを利用する
ホームルータータイプのWiMAX機器やWXシリーズならクレードルと組み合わせを利用する方法もおすすめです。
こういった機器を利用すると室内でWiMAXに接続しやすくなる可能性があります。
クレードルはUQアクセサリーショップやAmazon、家電量販店で購入することができます。
ホームルーターを使う
WiMAX2+を固定回線代わりに自宅でしか使わない場合は、最初にWiMAX2+を契約する際にホームルーターを選択するのも1つの手です。
たとえばHuawei製のホームルーター「Speed Wi-Fi HOME L02」は同社のモバイルルーターに比べてWiFiの性能を高めてあるだけでなく、同時接続可能台数もモバイルルーターの10台に比べて42台と多いので、自宅だけでなく小規模オフィスでも使える仕様です。
ただしホームルーターは公式上バッテリー非対応でACアダプタが必要であるため、あくまで自宅用です。
最悪2A以上のモバイルバッテリーがあれば起動するので使えないことはありませんが、保証対象外ですので自己責任でお願いします。
ホームルーターは自宅専用なので、WiMAX2+を外でも利用したい希望が少しでもあるのならモバイル端末を選ぶことをおすすめします。
WXシリーズはクレードルを使う
モバイルWiFiルーターのWXシリーズはWウイングアンテナと呼ばれる拡張アンテナを搭載したクレードルをオプションで用意しています。
Wウイングアンテナによって全方位的に強い電波をキャッチできるので、室内での通信状況が安定しやすくなるのがメリットです。
特に本体の厚みのある方向で電波が強化されるので設置する場所を上手く調整すると良いでしょう。
WXシリーズは外出時にはモバイルWiFiルーターとして、自宅ではクレードルを利用してホームルーター代わりに使うことができる2in1の端末だといえますね。
ホームルーターを使いたいが外出先でもWiMAX2+の通信を使いたいという場合はWXシリーズの端末とクレードルの組み合わせはおすすめです。
対策2:窓際にWiMAX機器を置く
追加費用もかからず手軽に試せるのは、モバイルWiFiルーターやホームルーターを窓際に設置することです。
なぜ窓際かと言うと屋内の奥まった場所よりも、外に最も近い窓際の方がWiMAXの電波を強く受信できるからです。
基地局がある方向や周りに障害になるような高い建物があるか否かによっても受信状況が変わるので、同じ窓際でも設置場所をいくつか試してみて最もよく電波を受信できる場所を探してみると良いでしょう。
窓の外が建物に囲まれておらず開けている方がWiMAXの電波はより受信しやすいです。
WiMAXの電波が届く場所にモバイルWiFiルーターやホームルーターを設置できたら、ルーターとスマホやタブレット・パソコン間の通信はWiFiで行います。
対策3:リフレクターを利用する
リフレクターとは光や音を反射させて対象に集める装置のことです。
WiMAX機器にリフレクターを組み合わせることでWiMAXの電波を強く受信させることができます。
装置といっても難しいものではありません。
100円均一のショップで金型のボウルとそのボウル・WiMAX機器を固定する部品を購入すれば、多少不格好かもしれませんがそれを組み合わせるだけで作ることができます。
ご自宅に使っていないプラスチック製のボウルがある場合は、そのボウルにアルミホイルを巻いて変わりに使っても良いですね。
窓際などWiMAXの電波を受信する方向にボウルの開いた方を向け、その中央にWiMAX機器を設置し固定するだけです。
費用も時間もあまりかからないので、室内でWiMAXの電波が届きにくく困っている場合は是非試してみて下さい。
実際にこの方法で通信状況が改善されたというユーザーの声もあります。
自作パラボラアンテナでWiMAXちゃんがハイパーWiMAXちゃんに進化した!!
速度が全然違うよ!ストレスフリーだよ!! pic.twitter.com/tlZxjsYrcT— D地 (@daichin1013) July 12, 2016
WiMAXのDIYパラボラ、結局こうなりました。不格好ですがこれで家の固定回線よりいい数値を叩き出す。これで回線の一本化が可能となり家計も実際安い。さらにうちはケーブル会社と大家さんのご好意により12Mbpsの回線なら無料で使えるのでルータが壊れてもごあんしんだ。 pic.twitter.com/BXQ1LYllxD
— ふじみやドリフターP (@128pts) April 6, 2018
鍋の電波のやつバズってるね、ほんと呟くほどの事でもないかなと忘れてたんだけど、こないだwimaxの電波安定させるために百均で自転車ミラーとボウルと鍋敷き買って、パラボラ作ったんですよ、仕上がりのイメージは違ったんですけど気持ち安定してます。 pic.twitter.com/o3nWSQlRLz
— まきづめ (@makidume_splt) June 4, 2018
またリフレクターとWiMAX機器を窓の近くに設置すれば効果が上がるでしょう。
ただし100均の組み合わせなので見た目は安っぽく、窓際に常設しておくには場所も取るため、興味本位で作製し速度を測定したらそのまま台所に収納されてしまうアンテナも少なくないようです。
手軽な分だけ飽きるのも早いという点で即効性はあるけど持続性がない対策なのかもしれません。
対策4:無線LANルーターを使う
ご自宅でWiMAX機器を設置する場所とインターネット接続したい場所が離れている場合は、無線LAN中継機やクレードルを利用した市販無線ルーターとの接続がおすすめです。
WiMAX2+の電波が自宅の窓際でしか受信できないけれど、WiMAXを使いたい場所は窓際から離れた別の部屋で、WiFiの電波が届かないといったこともあるでしょう。
無線LAN中継器
無線LAN中継機とは、WiFiルーターとインターネットを利用する場所の中間地点に設置しWiFiルーターから発信される電波を一度キャッチして中継する機械です。
WiFiの電波はドアや壁などの障害物が間にあると弱くなりますから、無線LAN中継機を使うと今までWiFiの電波が届かなかった部屋でも電波が受信できるようになる可能性があります。
クレードル+無線LANルーター
クレードルとはモバイルWiFiルーターを置くだけで簡単に充電できる機械です。
そのうえクレードルにはLANポートがあり、モバイルWiFiルーターを設置したクレードルとパソコンをLANケーブルで接続することで、有線LANによるインターネット接続を実現します。
LANポートにはパソコンだけでなく市販の無線LANルーターを接続して使うことも可能です。
市販の無線LANルーターにはさまざまな機種があり、価格によってWiFiの電波の出力性能が変わります。
品質の高い無線LANルーターを導入することで、WiMAXのモバイルWiFiルーターからの電波が届かなかった場所でもWiFi接続ができるようになるので試してみる価値はあるでしょう。
クレードルを購入していない場合はまず無線LAN中継機を、クレードルが購入済でお手元にある場合は市販の無線LANルーターを試してみてはいかがでしょうか。
いずれの方法でもWiFiの電波環境を改善が期待できます。
対策5:UQフェムトセルを導入する
UQフェムトセルとは室内に設置することができる小型のWiMAX2+基地局です。
UQコミュニケーションズではWiMAX2+利用者でなおかつauひかりやフレッツ光、J:COM NET契約者に無料でUQフェムトセルを貸し出しており、これを室内に設置することでWiMAX2+の電波状況を改善できます。
WiMAX2+の契約先プロバイダは問わないため、UQコミュニケーションズ以外のプロバイダでWiMAX2+を契約している場合でも、UQフェムトセルのレンタルが可能です。
無料でレンタルできて便利なUQフェムトセルですが、利用にあたっては以下にあげる4つの注意点があり、それをふまえると実用的ではないのがわかります。
- 設置工事が必要
- 電波法の問題
- UQフェムトセルを破損・紛失した場合は違約金が発生
- UQコミュニケーションズが指定する固定回線の契約があること
UQフェムトセルの設置にあたっては宅内での設置工事が必要ですし、無線局免許を取得する必要があることから仮に過去2年間に電波法や放送法の罰則を受けていた場合は免許を取得することができません。
そのうえUQフェムトセルはレンタル品なので破損・紛失して返却できなくなった場合は違約金が発生します。
そしてUQコミュニケーションズが指定する固定回線契約者のみUQフェムトセルの利用ができるのです。
ここで気になるのは固定回線があるのなら自宅でネットを快適に楽しめるでしょうから、わざわざ設置工事をして違約金のリスクがあるUQフェムトセルをレンタルするメリットがないのではないかという点です。
そのためこの対策方法は活用する機会が少ないと言えますね。
プロバイダ乗り換えも選択肢の1つ
現在契約しているWiMAXの更新月が近い、契約期間の途中だけど古い端末を利用しているなどの場合にはプロバイダを乗り換えて最新端末に機種変更するのも選択肢に入れておくと良いでしょう。
契約更新月が近い場合には少し待てば違約金無料で解約できますが、更新月がまだ先で契約期間の途中に解約すると違約金が発生するのがネックです。
しかし契約解除料を支払ったとしても損しない方法があります。
そのうえプロバイダを乗り換えると月額料金が安くなる、最新端末も無料で手に入る、新規契約キャンペーンの特典が受けられるといった様々なメリットを得られるのです。
次の記事は乗り換えのメリットをまとめた記事なので参考にしてください。
各WiMAXプロバイダは月ごとにキャンペーンを行っており、プロバイダによっては入会する月によってお得度が変わります。
今安いプロバイダを探すなら、こちらの記事を一読ください。
無線LAN中継器やクレードルを追加購入するよりお得
電波が悪い場合の対策として無線LAN中継器やクレードルを利用することを挙げましたが、プロバイダを乗り換えるほうが安く済む場合もあります。
それぞれの方法でどれだけの費用がかかるのかを比較しました。
プロバイダ乗換時の初期費用 | 無線LAN中継器の購入費用 (価格ドットコムの場合) | クレードル購入費用 (UQアクセサリーショップの場合) |
---|---|---|
3,000円 | 約3,000円~8,000円 | 3,686円 |
プロバイダを乗り換える際には初期費用の3,000円が必要なので、クレードルや安い中継器ならあまり料金の差がないように見えます。
しかし、プロバイダを乗り換えると最新の端末へ無料で機種変更できることや、月額料金が今までよりも安くなるという魅力があるので結果的にはお得です。
ただし契約中のプロバイダで違約金を支払う必要があるなら損してしまうので、参考記事のように違約金負担サービスのあるプロバイダを選ぶようにしたり、キャッシュバック特典を上手く活用したりするようにしてください。
中でもBroad WiMAXは乗り換え前のプロバイダに払うべき契約解除料を上限20,900円まで負担してくれるため、契約して間もなく解約しなければならなくなったときも安心ですね。
支払わなければならない契約解除料の額をBroad WiMAXに送って金額を判断してもらう必要はありますが、少しでも乗り換えに関する負担を抑えたい場合は使わない手はありません。
乗り換えるなら最新端末がおすすめ
ほとんどのプロバイダでは端末代金を無料で契約できるので、選ぶなら最新端末を選びたいものです。
電波をキャッチしやすい機能や、アンテナ搭載のクレードルなど、WiMAX側も接続面のユーザー体験には長年腐心してきています。
ネットの技術は日進月歩で進化しており、最も新しい端末を選ぶことが繋がりにくさ解決の近道なのです。
時折キャッシュバックや月額料金が安くなる代わりに旧機種の在庫処分が行われていますが、月数百円の差と最新技術どちらが自分にとって大事なのかをよく考えて機種を選びましょう。
まとめ
提供エリア内でも、室内でWiMAXの電波が届かずインターネットに接続できないことがあります。
その場合もすぐにあきらめずに考えられる限りの対策を試みましょう。
たとえば窓際にWiMAX機器を設置したり、リフレクターを使ったりすることで改善する場合があります。
また、ホームルータータイプの機器やWX04やWX05と拡張アンテナ付きクレードルを利用することで受信強度を高めることが可能です。
WiFiの電波状況が悪い場合は、無線LAN中継器を使う方法やクレードルに市販の無線LANルーターを組み合わせて使う方法があります。
費用をあまりかけたくないという場合にはプロバイダの乗り換えも選択肢に入れておきましょう。
このように様々な対策が考えられるので、試せるものから実行してみると良いですね。