ポケットWiFiの中でも高めの価格設定が気になるWiMAX2+。
月額3,880円の料金設定は一見高額に感じてしまう料金です。
しかし、WiMAX2+は長い目で見ると価格と性能のバランスが良く取れていて、その特性を知って利用することで価格以上の価値を提供してくれるポケットWiFiなのです。
たっぷり使えるデータ通信・パソコン利用でも不満を感じない通信速度・他社では実現できない速度制限後も実用通信速度。
3つのメリットを活用することで、WiMAXはその値段以上の価値を提供してくれるポケットWiFiだと言えます。
WiMAX2+が他のポケットWiFiと比較してなぜ高い?
WiMAX2+の料金が他のポケットWiFiと比較して料金が高めに設定されている理由は、データ通信が一律料金で利用できる点になります。
ガラケー時代に存在していた、いくら使っても定額料金のパケット使い放題の様なプランは、スマホの登場に伴う通信量の増加により定量制へと移行しました。
ですがWiMAXはいまなお定額料金制を継続している事実上、唯一の通信サービスです。
格安SIMの中にもWiMAXと同じく通信量無制限を標榜するSIMもありますが、実際の速度は1Mbpsを大きく下回り、時間帯によってはメールすら利用できない種類もあるくらいです。
実用領域の速度を維持して、ユーザーの利用を妨げないでデータ通信が出来るポケットWiFiが欲しいならWiMAX2+しか選択肢がないと言ってもいいでしょう。
当然定額使い放題となると、多くのユーザーがたくさん通信を利用しようとします。
もし料金を最初から安く設定していると、データ通信を受け止めるための設備や機器の増強やメンテナンスにお金がかけられなくなり、必然的に速度が低下して使いづらくなってしまいます。
WiMAX2+の月額料金がライバルと比べて割高なのは、イコール高品質な通信環境を整えるための必要コストだからです。
また、安く設定し過ぎると大量に通信を利用する一部のユーザーが雪崩れ込み、通信量(トラフィック)で回線がパンクしてしまいかねません。
なるべく多くの人が、快適にサービスを利用できるようにするため、ある程度価格を高めに設定することで契約者をふるいに掛けている部分もあるでしょう。
安さだけを目当てにして契約するユーザーを価格で振り分けて、高めのコストでもサービスを選んでくれる質の良いユーザーに選んでもらうための価格設定と考えて下さい。
Y!mobileにも無制限Wi-Fiがあるけど…
WiMAX2+とシェアを二分するY!mobileにも自称無制限Wi-Fiアドバンスモードが存在します。
このアドバンスモードは、WiMAX2+ギガ放題と同じく3日間の利用通信量が合計10GBで、翌日18時から翌々日1時まで速度制限が発動します。
以前は24時間もの間、回線速度がガラケーの回線よりも遅い128kbpsに制限されてしまい、Wi-Fiとして全く機能しなくなるという代物でしたが、現在は制限下の通信速度は最大1Mbpsとネットサーフィン程度なら使えるところまで改善されました。
しかしアドバンスモードに利用される電波はつながりが非常に悪く、少し物陰にはいるだけで圏外になることもあります。
アンテナ整備が遅れている地方なら分かりますが、都心ですらあちこち圏外ですからWiMAX2+の比較対象にもなりません。
また2018年3月までは端末の通信モードをアドバンスモードにすることで月間データ通信量の制限がなくなる無制限プラン「Pocket WiFiプランL」がありましたが、現在は上限7GBの「Pocket WiFiプラン2」にアドバンスオプションを付帯しない限り無制限にすることができなくなりましたので、手続き上不便になりました。
使えば使うほどお得に
料金が割高で一見不利に見えるWiMAX2+ですが、1GBあたりのコストではどのポケットWiFiよりもお得な仕組みになっています。
これは月100GB、200GBと使っても一律料金で済む定量制の最大のメリットです。
実際本当に通信量無制限なのか問い合わせたことがありますが、通信量は無制限で使い放題という回答を得ました。
通常大手のスマホや格安SIMでは契約したGB数を使いきってしまった場合、1GBあたり数百円~数千円でデータ容量を追加購入しなくてはなりません。
仮に月100GBの通信量をdocomoで利用するために必要な最低料金は75,980円です(ギガホで30GB+1GB追加オプションで70GB分購入)。
使い放題という言葉に隠れていますが、通信料金というのはとても高額で、本来たくさんネットをするためには大きな負担が必要になるのです。
巷では3,880円のWiMAX2+が高いと言われていますが、通信量100GBたっぷりつかえて定額3,880円のWiMAX2+と、7万円以上のスマホを比べても割高といえるでしょうか?
実際は価格とメリットを天秤にかけた時に、メリットが非常に大きいサービスなのです。
●WiMAX2+は何GB使えばお得なのか?
WiMAX2+の料金はサービス内容と比較して割安なのですが、実際数値として並べてみないとピンと来ないところもあります。
そこで、Y!mobileの代表的な7GB・2GB・アドバンスモードの3プランとWiMAX2+ギガ放題の1GBあたりの料金をグラフで比較してみます。
Y!mobile最安の1,980円2GBプランとWiMAX2+は5GBの時点で1GBの単価の価格が逆転します。
7GBプランと比較すると、WiMAX2+は8GB以上の利用でお得に。
対アドバンスモードでは、23GBを超えるとWiMAX2+が優位になります。
23GB到達までは同じ料金なのですが、前述したようにY!mobileのアドバンスモードは非常に使えるエリアが狭いという落とし穴が用意されています。
対するWiMAX2+はアドバンスモードよりも広域なエリアでネットを使い放題にできます。
同じ23GBでも、電波が届く場所が限られる回線と、速度制限も気にならず広域なエリアで23GB以上使える回線では、同じように見えて全く使い勝手が違うサービスだということを忘れないで下さい。
これはWiMAX2+が優れているというより、Y!mobileのアドバンスモードが看板倒れのサービスで自爆している側面がありますね。
もっと値下げできるんじゃないの?
ユーザーの立場からすると割安なサービスと言われても、毎月支払う料金は1円でも安いほうが嬉しいですよね。
ではWiMAX2+が今後値下げの方向に向かうかといえば、提供する会社はもう少し単価を引き上げたいのが本音でしょう。
docomoでは8万円払わないと使えない通信容量を3,880円で提供するのですから、現状でもかなりのコスト削減努力をしているはずです。
端末無料やキャッシュバックキャンペーンの乱発で、客単価の低下に各社あえいでいます。
これ以上の値下げはかなり厳しいと言わざるを得ません。
それよりも、多少の顧客離れが起きても、何らかの形で値上げに踏み切るタイミングを見計らっていると予想します。
その根拠としては、格安SIMの台頭で一時期WiMAX2+が駆逐されると言われながらも、獲得数を伸ばし累計契約者数2,000万件を超えるなど、予想とは裏腹にWiMAX2+を支持している結果が出ました。
WiMAXの特徴でもある通信量無制限は、無制限だけど激遅の格安SIMやY!mobileアドバンスモードの登場で存在感をさらに増すこととなりました。
簡単に無制限を名乗るのは簡単ですが、実用レベルで無制限Wi-Fiを提供しているポケットWiFiサービスは事実上WiMAX2+だけです。
この独自性を推して、キャッシュバックや値引き減額という形に動くのではないか?と予想しています。
基本料金見直しは次期新世代サービスWiMAX3登場のタイミングで起こるのではと予想されますが、それはまだしばらく先の話になりそうです。
プロバイダ選びのコツ
WiMAX2+は通常月額3,880円なのですが、サービスプロバイダと呼ばれる代理店と契約することでキャッシュバックや割引が受けられます。
数万円のキャッシュバックや、月1,000円以上の割引が受けられる会社を利用することで、月額3,500円前後という割安価格でWiMAX2+を不自由なく利用することが出来るようになります。
docomo最安のギガライトで3GBまで利用した場合が割引適応後のWiMAX2+を上回る3,980円ですから、WiMAX2+がいかに安く提供されているかわかりますね。
それ以上にキャリアのパケホーダイプランが高過ぎるのが問題なんですけどね。
私の経験上、キャッシュバックはデメリットが非常に大きいので、初月から確実に割引が貰えるBroadWiMAXをおすすめしています。
どうしてもキャッシュバックが欲しいなら受け取るための手続きが簡単なBIGLOBEですね。
キャッシュバックが高額で人気なGMOとくとくBBは色々と問題がありますので、私は積極的にはおすすめしません。
まとめ
一見割高に見えるWiMAX2+ですが、何百GB使っても一律という定額システムと各種プロバイダが提供する割引で価格面においてもライバルのポケットWiFiを抑えてダントツのコスパになります。
昔から固定回線代わりとしてホームルーターを用意するくらい、無制限という言葉にコダワリもっている会社ですからね。
無制限に対する意気込みが違います。