格安SIM無制限プラン及びWiMAXギガ放題は、いずれも月間のデータ通信量に制限がなく利用できるという点で、一見似たサービス内容に見えます。
しかし、サービスの内容を詳細にみると、実際には通信速度などの面でWiMAXの方が優れています。
この記事ではWiMAXの優位性について詳しく説明しますので、どちらのサービスを契約するか迷われているならぜひご覧ください。
格安SIMの無制限プランについて
格安SIMの無制限プランとは、LTEによるモバイル通信が月間データ通信量の制限なしに利用できるプランです。
格安SIMを提供する複数のプロバイダが提供しています。
ただし、月間データ通信量に制限があるプランとは別の制限があり、無条件にデータ通信を無制限で利用できるわけではありません。
制限の内容はプロバイダごとに異なりますが、多くのプロバイダの場合月間データ通信量の制限があるプランと違って最初から通信速度が抑えられています。
例えば、UQコミュニケーションが提供するUQ mobileの無制限プランでは最大速度が500Kbpsです。
このような制限が最初から設定されているため、通常は月間データ通信量に制限が定められたプランの方が、高速で快適な通信が利用できると考えてよいでしょう。
どうして格安SIMの無制限プランは遅いのか?
格安SIMの会社はレンタル料を支払いドコモやau、Softbankといった携帯キャリアから通信設備の一部を借りてサービスを運営しています。
元々キャリアよりも保有している回線の量が少ないので、ユーザーが増えるほど回線が混雑しやすくなり通信速度が遅くなってしまうのです。
高いレンタル料や設備への投資費用を支払えば借りれる回線の量も増えたり通信品質が向上したりするでしょうが、そうすると格安SIMの会社は利用料金を上げざるを得なくなってしまいます。
格安SIMの会社ごとにレンタルしている回線の量や帯域は異なりますが、各社ともに利用料金を抑えつつ多くのユーザーへ通信サービスを提供できるよう、バランスを取って運営をしていると把握しておきましょう。
多くの格安SIMで特に無制限プランの速度を抑えている理由は、データ量を無制限で使えるうえ高速な通信速度でサービスを提供していては回線がパンク状態になってしまいますからそれを防ぐためというわけですね。
WiMAXと格安SIM無制限プランの実測値の差
月間データ通信量に制限がないサービスにはWiMAXのギガ放題プランがありますが、格安SIMとどの程度の速度差があるか気になるところです。
そこで実測値を比較すると、格安SIMの無制限プランの通信速度が遅いと感じる理由がわかります。
ここでは、WiMAXのギガ放題と、LTE使い放題プランのあるU-mobileの実測値を比較するので参考にしてください。
まずWiMAXはBroad WiMAXが以下のように各地域の実測マップを公開していました。
参照(https://wimax-broad.jp/area/speedmap.php)
続いてU-mobileはTwitter上で挙げられているユーザーからの実測値の情報を参照します。
2019/05/23 07:05頃。LINEモバイル(ソフトバンク)VS U-mobile(ドコモ Aterm04-LNモバイルルーター経由)で速度測定。DL速度だけ見ればLINEモバイルが22Mbps、U-mobileが5.58Mbpsと速度差あり。#格安SIM #仙台 #宮城 pic.twitter.com/dLs3P1CbsU
— ヨウカン (Youkan Laboの中の人) (@youkan0302) May 22, 2019
umobileのLTE使い放題、シャレにならないぐらい通信速度が遅い… pic.twitter.com/9Sk3DEC55R
— もとつねの日常 (@daily_mototsune) May 17, 2019
[U-mobile LTE使い放題プラン]
速度は出ません。5Mbpsより出たことは一度もないんじゃないでしょうか。
これで寮にwifiがないんで動画なんて見れたもんじゃないです。
死活問題。#umobile pic.twitter.com/jMSdbmUZ7g— Gakuto (@gakutasu) July 6, 2018
WiMAXの実測値が40~120Mbps程度なのに対し、U-mobileは1Mbpsにも満たない速度しか出ていないケースも多く、速くても5Mbps程度という口コミがあります。
このようにU-mobileとWiMAXの実測値を比較した場合、はるかにWiMAXの方が高速であることがわかります。
U-mobileのように数百Kbpsの速度では、添付なしのメールやLINEのメッセージ送受信・音声通話程度なら問題ありませんが、YouTubeなどでの高画質な動画参照はできません。
ホームページの参照に関しても、最近はスマートフォン用でも高画質な画像が多く掲載された容量の重いページが多いので、WiMAXの速度に比べるとかなり動作が重いと感じるでしょう。
WiMAXとの料金差は?
次に、格安SIMの無制限プランとWiMAXギガ放題の料金について比較します。
格安SIM無制限プランの例として、U-mobile データ専用LTE使い放題プラン、WiMAXの料金としてWiMAXプロバイダの中でも月額料金が最安値級のBroad WiMAXのギガ放題プランを挙げました。
U-mobile LTE使い放題プラン (データ専用) | Broad WiMAXギガ放題プラン | |
---|---|---|
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
初期費用 | SIM発行手数料394円 | 通常18,857円だがキャンペーン適用により無料 |
端末代金 | 有料 | 無料 |
月額費用 | 2,480円 | 最大3ヵ月間:2,999円 3~24ヶ月目:3,752円 25ヶ月目以降:4,412円 |
U-mobileではモバイルルーターを販売しておらずSIMフリーの端末を自身で購入する必要があるため、発売されて間もない機種なら大体20,000円前後の購入費用がかかるでしょう。
また、U-mobile格安SIMのサイズに合った端末を選ぶ必要があったり、利用開始時にAPN設定を行う必要があったりなど手間がかかります。
一方のBroad WiMAXはSIMだけでなく端末も同時購入可能ですし、最新機種でも端末代金が無料となるので、Broad WiMAXの方が圧倒的に契約しやすいといってよいでしょう。
月額料金はBroad WiMAXの方が900円程高いため3年間の総額は約38,000円差が開きますが、U-mobileのような格安SIMは端末を自分で購入しなくてはいけないため20,000円程度の初期費用が必須なので、実際には月500円の差に留まります。
低価格の端末を選ぶことでトータルコストを削減する方法もありますが、機体性能や端末の使い勝手、バッテリーライフが犠牲になるため注意が必要です。
さらに速度面では実測で最大でも5Mbps程度のU-mobileと、120MbpsのWiMAXでは比較するまでもなくWiMAXのほうが有利です。
月500円前後の価格差で20倍もの高速な速度が楽しめるなら、逆にお買い得とも言えるでしょう。
WiMAXと格安SIMの違い
WiMAXと格安SIMの違いを表にしてまとめます。
WiMAX | 格安SIM(LTE) | |
最大速度 | 下り最大1.2Gbps | 最大300Mbps |
実効速度 | 約40Mbps~100Mbps程度 | 約0.5Mbps~20Mbps |
人口カバー率 | 99% | 99% |
実際の提供エリア | 郊外などで一部利用できない地域あり ※au 4G LTEオプションでLTE通信の利用も可 | WiMAXに比べると郊外でも繋がりやすい |
初期費用 | 契約事務手数料:3,000円 | 新規契約手数料:3,000円 |
通信端末の料金 | キャンペーンで0円になることが多い | 時価・実費購入 |
キャンペーン | 端末無料・キャッシュバック・月額割引・タブレットプレゼントなどプロバイダにより異なる | 少ない |
通信制限 | ・通常プランで月間データ通信量の合計が7GBを超えた場合 ・3日間で10GBのデータ通信量を利用した場合 | ・3日間で一定の通信量を超えた場合 (各社異なる) ・あらかじめ契約で決められた月間のデータ通信容量を消費しきった場合 |
通信制限後の速度 | ・通常プランで月間7GBのデータ容量を使った場合は128Kbps ・ギガ放題プランで3日間に10GBのデータ通信容量を使い切った場合は約1Mbps | 主に200Kbps |
違約金 | 契約更新月以外の解約は10,450円~20,900円の違約金が発生 | データSIMなら違約金がないことが多い |
結論:WiMAXと格安SIM、無制限ならどっちを選ぶべき?
格安スマホの方が月間データ通信量によってプランも豊富で、あまりモバイルWi-Fiルーターを使った通信を使わない場合であれば料金的にもお得な場合が多いです。
その一方で、通信速度はWiMAXの方がはるかに速いですし、通信制限後の速度に関してもWiMAXギガ放題プランは1Mbpsと動画視聴が可能なほどです。
提供エリアは格安SIMの方が広いですが都市部において差はあまりありません。
さらにWiMAXではオプションでLTE通信を行えるため、WiMAXのエリア外ではau 4G LTEによる通信ができます。
ただLTEオプション利用時に使えるデータ量が月7GBまでなので、上限を超えてしまうと最大128kbpsに通信制限されることと、2年契約かつauスマートバリューmineに加入していない場合はオプション料の1,005円が追加されることに気を付けてください。
逆に言うと、WiMAXのギガ放題プランならLTE通信で7GBを超えないようにし、3年契約プランを選べば無料で高速通信を思う存分楽しめるというわけです。
年々利用するデータ容量が増えてきているインターネットサービスをより快適に満喫したいのであれば格安SIMの無制限プランを遅い速度で我慢しながら利用するより、WiMAXギガ放題プランを選択するほうが理にかなっていると言えるでしょう。
まとめ
WiMAXと無制限プランを含んだ格安SIMは似たようなサービスに見えますが、詳しく見ると料金や速度などの面で大きな差があります。
キャンペーンで端末費用を無料にできる手軽さや通信速度の面で優れるWiMAXは、データ通信においては格安SIMよりおすすめです。