ここで紹介するポケットWi-Fiは「ゆるい速度制限はあるがデータ通信量に制限のない」モバイルWi-Fiを指します。
月間データ量が無制限のポケットWi-Fiがあれば、大量のデータ通信が必要なビジネスユースだけでなく、動画や音楽のストリーミングにも便利ですね。
ただポケットWi-Fiには種類やプロバイダがあるので、どれを選べば安くお得に使えるのか、またどれを選べば無制限で使えるかがわかりづらいのが難点です。
ポケットWi-Fiにはスマートフォンと同じLTEを使うものと、それ以外にWiMAXのような別の通信を利用するものがあり、後者が無制限で使えるタイプです。
しかし価格や通信制限には違いがありますので、便利でお得に使うためにも料金体系や速度などをじっくり比較して選びましょう。
この記事では、「完全無制限」をうたうサービスも含めてポケットWi-Fiを比較し、どのサービスが使いやすいかを分析します。
無制限のポケットWi-Fiを購入できるプロバイダ3選
まず前提として、現在無制限とされるポケットWi-Fiを購入できる大手のサービスは以下の3社です。
ただしauのポケットWi-Fi(データ通信端末)はUQ WiMAXの回線を利用しますので、スペック面ではWiMAXかワイモバイルかの2択になります。
UQ WiMAX
UQコミュニケーションズでWiMAX2+を契約する場合、月間通信量の上限がないギガ放題プランを選択すれば通信量上限なしで使えます。
LTE回線に対応している端末を利用している場合は「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えることでLTEとWiMAX2+を併用する通信ができますが、この通信モードでの月間データ消費量が7GBに達すると通信速度が128kbpsに制限され、その月は実質的にネットが使えなくなることに留意しましょう。
ですが端末の標準モードはWiMAX2+のみを使う「ハイスピードモード」ですので、切り替え忘れによる月間データ量の制限がかかりにくい仕様です。
またUQ WiMAXの最大のアドバンテージは、同じ回線を販売するMVNOプロバイダで契約するともっと安くなることです。
au
auで購入できるポケットWi-Fiは、WiMAXプロバイダと同じラインナップです。
料金体系もギガ放題がWiMAX 2+フラットfor DATA EXに変わるくらいでエリアや通信速度に違いはありません。
異なるのは、auで契約した場合2年契約となること、ハイスピードプラスエリアモードの7GB制限の速度制限をエクストラオプション(有料)で解除できることです。
ただしエクストラオプションは2GBごとに2,500円と極めて高額なため、よほどのことがない限り使わないほうがよいといえます。
ワイモバイル
LTE系のポケットWi-Fiのうち、無制限で使えるのはワイモバイルのみです。
標準モードの通信量の上限は月間7GBまでに設定されていますが、アドバンスモードの通信量は無制限です。
対応する端末でアドバンスオプションに加入し、かつ標準モードの通信容量が7GBに到達する前にルーターの通信モードをアドバンスモードに切り替えれば、利用量の上限なしでインターネット接続を続けることができます。
ただし標準モードでの利用量が7GBに到達し、通信速度制限がかかった後にアドバンスモードに切り替えても制限は解除されません。
通信速度制限があるため完全使い放題はなし
ワイモバイルとWiMAXの共通点として、3日間で10GBを超えて利用したときに通信速度制限がかかることが挙げられます。
ワイモバイルの場合は超えた日の翌日18時から翌々日1時まで、WiMAXの場合は翌日18時から翌々日2時まで通信速度が1Mbpsに制限されます。
3日10GBは標準画質1時間1GBを消費するネットフリックスが一つの目安になるでしょう。
ポケットWi-Fiで3時間の映画を1日1本視聴するとして、3日間毎日長編映画を視聴したとしても9GBですから、3日10GBを消費するのは意識しないと達成できない数値だと言えるでしょう。
逆にこの制限値で足りないユーザーは回線の複数持ちやスマホの大容量プランとの併用などを検討してください。
しかも通信制限のかかる時間帯以外は一切制限を受けませんので、昼間メインにポケットWi-Fiを使うならば、影響を受けることは少ないでしょう。
かかったとしてもインターネットの閲覧や低音質でのyoutube再生に支障ない速度ですから、全くネットが使えなくなる心配はありません。
無制限ポケットWi-Fiに共通の速度制限ルール
無制限モード | 4G LTEモード | |
制限容量 | 3日10GB | 契約プランのギガ数による |
制限後 | 1Mbps | 128kbps |
上限のないプランではワイモバイルでもWiMAXでも、3日間で10GBを超えて利用したときにその翌日18時から翌々日1時または2時までの間に通信速度が1Mbpsに下がります。
先にも説明したように、この1Mbpsなら低画質の動画視聴やネットサーフィンなら問題なくこなせるスピードです。
データ量に上限があるプランでは、制限を超えた後は通信速度が128kbpsにまで下げられます。
この通信速度ではネットの閲覧はほぼ不可能ですので、実質的にメールができる程度です。
動画再生どころかサイトの閲覧にも影響がでる速度だといえますのでポケットWi-Fiを利用するならこの制限にかからないように注意をしなくてはいけません。
128kbps、1Mbpsの通信速度でできること
通信速度128kbps、1Mbpsという数字では実際にどれくらいの使用感なのかが想像しがたいですが、どれくらいの時間がかかるかがわかるとよりイメージしやすいでしょう。
128kbps | 1Mbps | |
---|---|---|
Yahoo! モバイル版(312KB) | 約20秒 | 約2.5秒 |
Yahoo! PC版(426KB) | 約27秒 | 約3秒 |
通信速度128kbpsのときにかかる時間が20秒というとかなり短そうなイメージですが、2009年にアメリカで行われた研究によると、ネットショッピングの際にページの表示に待てる時間は平均2~3秒とのことです。
そのため20秒という数字は実際には到底待てる時間ではありません。
真っ白の画面を20秒実際に見てみれば、いかにそれが苦痛かわかるでしょう。
それに比べて通信速度1Mbpsの場合の2.5~3秒という数字は、快適にサイトの閲覧ができるか、せっかちの人ならば気持ち遅いと感じるかもしれない程度のものです。
7GB、10GBの容量でできること
特に動画や音楽のストリーミングサービスをよく使っていると、データ通信量がどのくらいになるのかが気になりますよね。
WiMAXやワイモバイルでのLTE併用時の上限7GBと、短期間に大量に使ったときの通信速度制限にかかる10GBで実際に使える時間数を計算しました。
7GB | 10GB | |
---|---|---|
Spotify標準(ビットレート96kbps) | 約162時間 | 約231時間 |
Hulu標準(推奨速度3Mbps) | 約5時間 | 約7時間 |
DAZN高画質(推奨速度9Mbps) | 約1時間45分 | 約2時間30分 |
音楽のストリーミングサービスの場合、音質を低めに設定すれば月間7GBでも1日5時間程度は聴ける程度の容量です。
もっとビットレートが高いサービスを利用していたり、サイトの閲覧にもデータを多用していたりすればさらに使える時間が短くなります。
ただ3日間で10GB以上使ったときの制限は、音楽のサービスを利用する限り気にする必要はないと考えられます。
Spotifyの有料サービスのみで使えるビットレート320kbpsの最高音質でも、約69時間聴かないと10GBに到達しません。
3日間流しっぱなしにしない限りこの容量に達することはありませんので、音楽メインで使う場合、制限にかかる可能性は少ないでしょう。
しかし動画をよく観る場合、特に映画やスポーツのストリーミングを観る場合は注意が必要です。
月間データ量の上限があるポケットWi-Fiのプランでは月に1~2本しか観られませんし、もし毎日3時間以上観る場合は無制限のポケットWi-Fiでも3日間に10GB以上使ったときの速度制限を逃れられるものではありません。
特にDAZNでスポーツの試合を観る場合は画質の切り替えを手動でできないので、環境がよければサッカー1試合分しか観ることができない計算になります。
この場合、無制限のポケットWi-Fiでも毎日18時以降は常に通信速度が1Mbpsに制限されてしまうという状況にもなりかねません。
無制限といえども、動画をよく観るならば通信制限にかかるまでの容量はそれほど大きくないということを知っておきましょう。
無制限のポケットWi-Fiを選ぶポイント
ポケットWi-Fiをどのように選ぶかは、用途や使用目的によって変わります。
モバイルインターネットの大半をスマートフォンで賄い、ごくたまにタブレットを使うときにポケットWi-Fiを持ちたいのならば必ずしも無制限のを選ぶ必要はありません。
しかしモバイル回線のメインとしてポケットWi-Fiを持つのならば、無制限だからと安易に飛びつくのではなく次の点にも注意して選ぶ必要があります。
生活圏がエリア内か
いくら月間データ量の上限がないとはいえ、そもそも自分が使いたい場所でそのポケットWi-Fiが使えないのならば購入する意味がありません。
無制限で使えるポケットWi-FiはLTEに比べて利用できる通信エリアが狭く、中でもワイモバイルのアドバンスモードはWiMAXに比べてさらに狭いです。
都心部では使えるエリアはおおむね同じですが、特に離島や山間部ではアドバンスモードだけ使えるエリアやWiMAXだけ使えるエリアがありますので、必ず公式サイトのエリアマップを見て自分の生活圏がサービスエリア内か確認してから申し込みましょう。
たとえば長崎県の福江島ではWiMAXのほうが広範囲に整備されていますが、アドバンスモードのみしか利用できない地域もあります。

出典:uqwimax.jp

出典:ymobile.jp(青がアドバンスモード対応エリア)
ポケットWi-FiにおけるLTEとWiMAXの違い
現在WiMAX端末でもauのLTE回線を使えますし、ワイモバイルの端末では標準モードがLTEです。
しかしこの回線に必ずつきものなのが、月間データ利用量の上限です。
4GLTE | WiMAX | |
---|---|---|
エリア | ◎ (全国ほぼどこでも利用可) | 〇 (郊外の人口カバー率が低い) |
通信速度 | ◎ (最大988Mbps) | 〇 (最大558Mbps) |
容量制限 | △ (上限あり) | ◎ (無制限) |
通信速度制限 | △ (上限を超えた場合128kbps) | ◎ (3日で10GBを超えた場合1Mbps) |
4GLTE回線
ドコモやソフトバンクで契約できるポケットWi-Fiはすべて月間データ利用量の上限が設定されているため無制限にはなりません。
LTE回線には消費できるデータ量に上限があることを覚えておきましょう。
WiMAX
WiMAX回線を使うポケットWi-Fiは、auやUQコミュニケーションズをはじめとする約30のWiMAXプロバイダで契約できます。
WiMAX2+は月間データ使用量の上限がありませんが、利用できるサービスエリアがLTEに比べて狭いのと電波の性質上屋内やビル街、地下街などでは通信が弱くなるのが弱点です。
この弱点に対応すべくルーターによってはWiMAX2+だけでなくau 4G LTEにも対応しており、2回線を併用する「ハイスピードプラスエリアモード」を月間7GBまで利用できます。
月額料金
ポケットWi-Fiの契約期間は2年または3年と、ある程度長い期間利用する必要があります。
前述の通りUQ WiMAXはプロバイダで契約したほうが安く、auはWiMAXプロバイダの1つでもあるため、最新端末でもいつも月額料金が安く契約できるBroadWiMAXを取り上げます。
本来の契約期間よりも短い期間しか使わない場合、途中で解約したときの契約解除料も検討ポイントです。
しかし契約していた期間が短ければ短いほど違約金や端末代金の残債も高額になりますから、例えば数ヶ月程度の利用ならば国内のポケットWiFiレンタル業者を利用することも選択肢として検討する価値があります。
端末
WiMAXの場合、最新端末を選んでおけば速度面でも機能面でも間違いはありません。
ただ通信という本来の目的での利用では通信速度以外の点で機能面でも大きな差はありませんから、型落ち端末を選んでも使えなくはありません。
しかしワイモバイルの場合は料金プランによって契約できる端末が変わりますし在庫切れの可能性もあるので、必ずしも使ってみたい端末が使えるとは限らないので注意する必要があります。
契約期間
ポケットWi-Fiの契約期間は多くのプロバイダで3年です。
しかし契約期間途中での解約時の違約金上限を1,000円に定めるなどした改正電気通信事業者法が2019年10月より施行されたことを受け、一部のポケットWi-Fiでは契約期間の縛りを廃止したり、契約期間の縛りがあるプランでも違約金を1,000円にしたりしています。
現在3年契約のポケットWi-Fiプロバイダでも今後契約期間の変更があるかもしれません。
私の本音としてはポケットWiFi端末のバッテリー寿命は2年程度の印象なので、3年縛りだとバッテリー劣化が心配です。
最近は格安のモバイルバッテリーがAmazonを中心にどこでも購入でき所持者も増えているため、ポケットWiFiのバッテリー劣化というネガティブ面はある程度解消されていますが、身軽さの面ではマイナスな気がします。
それ以上に進化のスピードが速いモバイル通信業界で3年間サービスを固定されるという点で、ユーザーの体験の影響が大きいのではと懸念している部分です。
元にポケットWiFi各社は1年毎に新サービスと新しい端末をリリースしています。
現在2年契約はUQWiMAXのみ
2017年までの傾向はワイモバイルで3年契約、WiMAXで2年契約をメインとしていましたが、2018年からはWiMAXも3年契約がメインとなり、現在2年契約プランがあるのはUQコミュニケーションズのみです。
ただしBIGLOBE WiMAXも最低利用期間が1年に変更され、1年経過すればいつ解約しても違約金無料になったため、実質2年契約も可能と言えます。
ライフスタイルの変化や通信技術の進歩、端末の寿命などを考えると2年契約のほうがいいのですが、3年契約のみ取り扱うプロバイダが多数になっている現状ではプロバイダの選択肢がUQコミュニケーションズやBIGLOBEのみになってしまいます。
契約期間が短い代わりにUQコミュニケーションズやBIGLOBEでは契約時に15,000円~19,200円もの端末代金が必要なので、3年契約のプロバイダに比べて導入コストがかかることは理解しておきましょう。
結論!無制限のポケットWi-FiならWiMAX
結論から言って、最も使いやすい無制限のポケットWi-Fiは、無制限で使えるエリアが広く、月額料金が安く、端末の選択肢も豊富なWiMAXです。
無制限で使える他のポケットWi-Fiと比べると、WiMAXは一番弱点が少なくバランスが取れているからです。
WiMAXが使いやすい理由
WiMAXが使いやすい理由は、
- 無制限で使える回線の中ではエリアが広い
- キャンペーンを行うプロバイダを利用すると安く使える
ことにあります。
エリアこそLTE回線より狭いですが、料金、速度制限、違約金いずれをとってもお得でユーザーにやさしい仕様になっています。
エリアが広い
WiMAXはワイモバイルのアドバンスモードよりサービスエリアが広いため、都心部やそこから少し離れた郊外までならばWiMAXのほうが広くカバーできています。
現状ワイモバイルのアドバンスモードとWiMAX2+以外に無制限で使えるモバイル回線は実質的に存在しないため、無制限のポケットWi-Fiを選ぶならWiMAXです。
提携プロバイダを利用することで安く使えるから
ワイモバイル以外でその回線を利用するプロバイダはYahoo! Wi-Fiがありましたが、Yahoo!Wi-Fiは2019年1月末で新規受付を終了してしまいました。
しかしWiMAXにはプロバイダがいくつも存在しますので、料金の安さで選ぶこともできます。
BroadWiMAXはUQコミュニケーションズから回線を借りているプロバイダですので料金が安いですが、回線事業者のUQコミュニケーションズを利用すれば、月額料金が上がる代わりに格安な価格で機種変更ができるようになるなど別のメリットがあります。
WiMAXを契約するならこのプロバイダ
WiMAXプロバイダは約30ありますが、月額料金が業界最安級のBroadWiMAXと高額キャッシュバックで人気のGMOとくとくBBを取り上げます。
月額料金割引を提供するBroadWiMAX、キャッシュバックを提供するGMOとくとくBBとUQコミュニケーションズを比較しました。
UQ WiMAX | BroadWiMAX | GMOとくとくBB | |
---|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() | |
1・2ヶ月目 | 3,880円 | 2,999円 | 3,969円 |
3~24ヶ月目 | 3,880円 | 3,752円 | 4,817円 |
25~36ヶ月目 | 3,880円 | 4,412円 | 4,817円 |
端末代 | 15,000円 | ― | ― |
キャッシュバック | 最大3,000円 | ― | 最大34,500円 |
合計 ()はCB未受取時 | 151,680円 (148,680円) | 128,626円 | 117,660円 (152,160円) |
月額料金を割り引くBroadWiMAXはUQコミュニケーションズより確実に安く使えるほか、最新端末でも無料なので安心ですし、GMOとくとくBBも煩雑な手続きこそありますがキャッシュバックを受け取れればさらに安く使えます。
回線提供元はいずれもUQコミュニケーションズですので、通信自体には差がありませんから安く使えるところを選ぶべきです。
Broad WiMAX

引用:wimax-broad.jp
BroadWiMAXはUQコミュニケーションズの提携プロバイダで、月間データ量の上限がないギガ放題プランと上限7GBのライトプランがあります。
このうち無制限で使えるプランはギガ放題プランで、3年プランの設定しかないためLTE通信を使うオプション料は無料です。
BroadWiMAXの最大のメリットは月額料金の安さです。
キャッシュバックのような派手さはありませんが毎月の負担が減りますし、中途解約したとしてもその月まで安くなるのがポイントです。
端末の標準モードが無制限で使えるWiMAX2+のみを使うハイスピードモードですので、端末での切り替えを気にすることなく高速通信をたっぷり使えます。
BroadWiMAXのデメリットは、標準モードのWiMAX通信ではLTEを使う他の通信よりエリアが狭いことです。
しかしワイモバイルでもLTEを併用する標準モードの利用量が月間7GBまでになっていますので、その点ではBroadWiMAXでハイスピードプラスエリアモードを利用したときと同じといえます。
またワイモバイルより通信速度制限から解除される時刻が1時間遅い深夜2時ですが、夜勤メインなどで夜型の生活をしていない限りこの点が大きく響いてくることはないでしょう。
ただ契約して1年未満で解約した場合、キャンペーン違約金が契約解除料に上乗せされるためトータルで28,500円を支払わなければならないことに注意しましょう。
GMOとくとくBB
GMOとくとくBBもWiMAXプロバイダの1つで、データ量無制限のギガ放題プランか上限7GBのライトプランのいずれかを選べます。
BroadWiMAXとの最大の違いはキャッシュバックと月額料金割引が選べることです。
GMOとくとくBBは高額キャッシュバックと月額料金割引のどちらかを選べますが、人気なのは約30,000円以上もある高額キャッシュバックです。
キャッシュバックキャンペーンを利用してWiMAXを契約し、キャッシュバックを受け取れた場合は契約満了まで使うことを前提とした3年間のトータルコストが全プロバイダ中最安級になります。
GMOとくとくBBのデメリットは、お得に使うためのキャッシュバックが受け取りづらいことにあります。
twitterや価格.comを見るとキャッシュバックが受け取れなかったという口コミが多く目に付きますから、キャッシュバック目当てに契約しても受け取れなかったユーザーはかなり多いことが推測されます。
契約から10ヶ月経ってようやくGMOとくとくBBからキャッシュバック申請の通知来たけどほんとわかりづらいな。。 pic.twitter.com/QtZaBWZNGP
— くるくる (@cruqru) October 30, 2017
GMOとくとくBBでキャッシュバックを選んだ場合月額料金は高いので、キャッシュバックを受け取れなければただの高いプロバイダになることに注意してください。
もしGMOとくとくBBを選ぶなら、キャッシュバックを確実に受け取るためにも必ずリマインダー設定をしておきましょう。
WiMAXが使えない場合はワイモバイル一択

引用:ymobile.jp
ワイモバイルには次の2つのプランがあり、無制限になるアドバンスオプションはどちらにもつけることができます。
- Pocket WiFi プラン2(上限7GB)
- Pocket WiFi 海外データ定額(上限7GB+海外利用分7GB)
なおアドバンスオプションは海外利用分には適用されません。
標準の通信モードがLTE回線を利用するため、月に7GBを上限としてエリアの広いLTE回線が使えます。
無制限に使えるアドバンスモードはエリアが狭いのですが、短期間で大量に使った際の通信速度制限にかかったときも1Mbpsと、サイトの閲覧に最低限必要な通信速度を得られます。
また通信速度制限がかかる時間帯以外は普段と同じように使えますから、昼間メインで使うユーザーにとっては実質的に完全無制限に使える形なのもメリットです。
さらに、国内で大量にネットを使うだけでなく海外に行くことも多いのならば、海外で1日90円、月間7GBまで使えるワイモバイル一択です。
国内で無制限、海外で最大7GBまで利用できるポケットWi-Fiを契約できるのはワイモバイルだけです。
ワイモバイル最大のデメリットは途中解約時に端末代金の残債が必要になることです。
ワイモバイルでは端末を36回払いの分割払いで購入した場合に、36ヶ月以内に解約すると端末の残債を払わなくてはなりません。
たとえば、最新機種803ZTHWを選ぶと総額19,440円もの端末代金を支払うことになるのです。
通信速度制限の制度が似ているWiMAXに比べ、ワイモバイルで無制限に使えるアドバンスモードのサービスエリアが若干狭く、また月額料金や端末代金が高いこともデメリットといえます。
WiMAXをお得に活用するためのポイント
WiMAXはUQコミュニケーションズで契約するとサポートの厚さや端末の選択肢も広いのですが、端末料金がかかったり月額料金が高めだったりと費用面での負担は増えます。
そこで各WiMAXプロバイダのキャンペーンを利用すればより安くWiMAXを使えますので、キャンペーンの内容を比較し自分に合ったプロバイダを選びましょう。
WiMAXのプロバイダはすべて、UQコミュニケーションズの提供する回線を使っています。
そのため通信品質はどのプロバイダを選んでも変わりません。
サポートをあまり利用することもない、とりあえずは通信がしっかりできることが最優先という考えならば、料金でプロバイダを選ぶのはひとつの方法です。
WiMAXプロバイダの中には特に安くなったりキャッシュバックを受けられたりしないのにUQコミュニケーションズ並みの料金がかかるところがありますが、もっと安く最新端末が使えるプロバイダがあるのに、知った名前だから、そのプロバイダに別の契約があるからといってそういうプロバイダを選ぶのは考え物です。
料金がお得なWiMAXプロバイダには大きく分けて2種類あり、ひとつは月々支払う利用料を割り引くプロバイダ、もうひとつは高額のキャッシュバックを行うプロバイダです。
当サイトでは月額料金を割り引くプロバイダをおすすめします。
その理由は、キャッシュバックを受け取るための余計な手続きが必要ないこと、そして業界で最安にならない代わりに、解約まで支払う料金を確実に抑えられることです。
WiMAXプロバイダには高額キャッシュバックを行うところがありますが、そういったプロバイダでは月額料金が高めに設定されています。
このことが意味するのは、何らかの手違いでキャッシュバックが受け取れなかったり、受け取り前に解約せざるを得なくなったりしたときにはかえって高くつくということです。
このため、キャッシュバックキャンペーンを利用する際は注意しましょう。
また、キャッシュバックを受け取るための手続きが別途必要なプロバイダが多いため、忙しい人ほどキャッシュバックを受け取り損ねる可能性が高いです。
たとえばGMOとくとくBBでは、
- 契約して約11ヶ月後にキャッシュバックの案内メールがプロバイダのメールアドレスに届く
- そのメールの案内に従いキャッシュバックを受け取る口座を登録する
- 正しく登録されていれば期日にキャッシュバックが入金される
という手順です。
パッと見楽に見えますが、ここにはいくつかの落とし穴があります。
キャッシュバックを受け取るための利用期間がある
キャッシュバックを受け取るためには、少なくとも案内が来るまでは使い続けていなければなりません。
そして、正しく手続きをしても受け取り日までに解約してしまえば受け取りの権利を失いますから、受け取りが終わるまでは契約し続けている必要があります。
そのため、急な引っ越しでWiMAXが使えないエリアに住んだり、端末が故障してしまったりして解約せざるを得なくなったときはキャッシュバックを受け取れず困るでしょう。
キャッシュバックの案内がプロバイダのメールに届く
GMOとくとくBBで入会したWiMAXのキャッシュバック案内メールキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
入会時スマホカレンダーでリマインダー設定しといて良かった・・・
しかもGMO専用WEBメールアドレスに大量の案内メールに紛れて来るんだから(;´∀`) pic.twitter.com/j6qLDQQMSm
— kyacy_unco (@kyacy_unco) May 1, 2018
メールアドレスを作ることができるプロバイダでWiMAXを契約する場合、プロバイダからアドレスが付与されます。
しかし普段使っているメールアドレスが別にあるならば、新しいアドレスをわざわざチェックすることは少ないですよね。
にもかかわらずキャッシュバックの案内メールはこの新しいアドレスにくるので、期日が近くなるとこまめにチェックする必要が出てきます。
ここでメールを見落としキャッシュバックを受け取れないことが多いのです。
口座の登録にミスがあっても連絡がない
キャッシュバックを受け取るためには銀行口座を登録しなければなりませんが、これを間違えるとプロバイダは正しく送金できません。
しかし振込できなかったとしてもプロバイダから連絡が来ることはありませんので、登録の段階で絶対に間違えないようにしましょう。
通信技術の進歩は速いので、WiMAX端末は最新機種を選んでおけば間違いがありません。
しかしHuawei製のWシリーズとNEC製のWXシリーズでは機能面で違いがあります。
細かい違いですが、ニーズによっては使い心地を大きく左右しますので使途にあった端末を選びましょう。
W06 | WX05 | |
---|---|---|
サイズ | 横128mm×縦64mm×厚さ11.9mm | 横111mm×縦62mm×厚さ13.3mm |
重量 | 約125g | 約128g |
最大通信速度 | 上り75Mbps/下り1.2Gbps | 上り75Mbps/下り440Mbps |
無線LAN規格 | 2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応 | 2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応 |
連続通信時間 | 約540分(WiMAX2+、スマート設定) | 約690分(WiMAX2+、スタンダード設定) |
連続待受時間 | 約800時間 | 約700時間 |
バッテリー | 3,000mAh | 3,200mAh/交換可 |
その他 | 高性能ハイモードアンテナ搭載 Wi-Fi TXビームフォーミング搭載 通信モード自動切替え機能搭載 | ワンタイムHS+Aモード搭載 WiMAXハイパワー対応 クレードル利用時に通信性能アップ |
もっとも注目すべきは通信速度の差です。

引用:uqwimax.jp
W06はWiMAX2+の256QAMおよびWiMAX2+とau 4G LTEのキャリアアグリゲーションに対応しているため、USB接続時には最大通信速度の理論値が1.2Gbps(Wi-Fi接続時の最大速度は867Mbps)とその技術に対応していないWX05よりはるかに高い数字になっています。
ただ、この数字はハイスピードプラスエリアモード利用時のものなので、この速度で使えるのは月に最大7GBまでだということは頭に入れておきましょう。
実際にはWiMAX2+単体の通信速度である558Mbpsと440Mbpsで比べるのが妥当です。
また、W06は上り通信のCAである「アップリンク・キャリアアグリゲーション」に対応したため上りの速度が最大75Mbpsと飛躍的に伸びました。
特に動画配信や超高画質の画像を扱うなどの場合、上り速度の差は使い心地の差として現れます。

引用:uqwimax.jp
一方、WX05は連続通信時間の長さ、バッテリーが交換可能な点、またワンタイムHS+Aモードの搭載と、実用的な機能が多いです。
特に仕事で使ったりや自宅での回線もかねて24時間使い倒すようなスタイルですと、連続通信時間は長いほうがいいですね。
しかしこのような使い方ではバッテリーの劣化が早く起こりますから、予備の電池パックを買って交換できると3年の契約期間を乗り切るのも楽になるでしょう。
WX05の予備バッテリーは、UQアクセサリーショップ、ヨドバシカメラドットコム、Amazonや楽天のショップなどで購入可能です。
購入できないと記述しているウェブサイトがありますが、「WX05 電池パック」で検索するだけで以上のオンラインショップがかかりますのでご安心ください。
さらにワンタイムHS+Aモードを搭載することでハイスピードプラスエリアモードからハイスピードモードへの切り替え忘れを防ぐ機能は、WiMAXをより使いやすくします。
WiMAX2+だけではつながりにくいエリアでハイスピードプラスエリアモードを使ったはいいものの、通信モードを戻し忘れたまま7GB使ってしまって通信速度制限にかかることはWiMAXのユーザーならだれでも1回はする失敗です。
ワンタイムHS+Aモードを使えば、設定画面まで操作しなくてもワンタップで通信モードを切り替えられますし、端末の再起動や休止状態にすることでもハイスピードモードに戻りますので安心です。
速度で選ぶならW06、実用性や機能で選ぶならWX05と言えるでしょう。
無制限のポケットWi-FiとしてWiMAXを契約するなら、選ぶ料金プランは絶対にギガ放題プランでなければなりません。
様子見としてライトプランと呼ばれる上限7GBのプラン(いわゆる通常プラン)を契約したくなるかもしれませんが、いったん契約してしまうと次にギガ放題プランに変更できるのは早くても翌月です。
月間データ通信量無制限の使い心地を確かめるなら、必ず最初はギガ放題プランにしましょう。
最初の3ヶ月間は安く利用可能
多くのプロバイダでは、ギガ放題プランを契約しても契約した月とその後2ヶ月間の料金を通常プランと同じ額に据え置いています。
ですから、通常プランを契約してもギガ放題を契約しても使いだしの料金は変わらないのです。
しかし通常プランで契約した場合、申し込み月とその後2ヶ月の間にギガ放題プランに変更した場合でも料金は据え置きにならず、本来のギガ放題プランの料金になりますから、始めはギガ放題プランで契約する方が絶対にお得です。
もし毎月7GBも使わないから基本的には通常プランにしておきたいと考えるなら、ギガ放題プランの本来の料金に戻る前月にプラン変更をすれば料金が上がることはありません。
完全無制限をうたうポケットWi-Fiはどうなのか
クラウドSIMといって、その時々で最も空いている、あるいは電波の強いキャリアの電波を拾って常に安定した通信を提供する会社も少しずつでてきました。
たとえば「どんなときもWiFi」はそんな事業者の1つで、新品の端末を2年契約でレンタルすることによってサービスを提供しています。
ドコモ、au、ソフトバンクの3つのキャリアの電波をそのときどきで拾うので、通信速度制限にもかからないし月間データ利用量の制限もないのが売りです。
3社のキャリアの電波を使えるので、特に郊外でありがちな「X社の電波は入るけどZ社の電波は圏外」ということがなく、最大限に通信を活用できるのが最大の強みです。
ただし現在提供している端末の通信面でのスペックが非常に低く、
- 下り最大150Mbpsまでしか対応していない
- 無線LANの5GHz帯未対応で、電子機器の干渉を受けやすい
という欠点があります。
実使用には十分耐えられるスペックですが、細かいところで我慢が必要な端末なのでそれなりの不便さは割り切らなくてはいけません。
しかもレンタルですから、2年後解約するときは端末だけでなくUSBケーブル、取扱説明書、個装箱を全部揃えて返却ですのでうっかり捨てちゃったは許されません。
さらにどんなときもWiFiの利点として、クラウドSIM搭載のルーターですので海外でもなんの手続きも必要なく利用できることがあります。
しかし海外で使った場合は月額料金とは別に1日あたり1,280円または1,680円(渡航先によって異なります)かかる上、1日に1GB利用した時点で通信速度制限がかかります。
もし持っているスマホがSIMフリーやSIMロック解除済みなら、あらかじめ現地で使えるプリペイドSIMを買ったりeSIMを契約したりしておくほうが圧倒的に速くて安いですし、端末のスペックも活かせますからそちらを選ばない理由がありません。
ワイモバイルの海外データ定額と比較しても、ワイモバイルの端末はさらにスペックが落ちるものの、海外では1日あたりたったの90円で利用できます。
どんなときもWiFiは、つながりやすくて無制限であれば低スペック端末でもいいと言う考えで利用する必要があります。
海外データ通信は高すぎるので、おまけ程度に考えたほうが良いでしょう。
格安SIMの無制限プランはどうなのか
手元にSIMフリーや中古のポケットWi-Fiがある場合、格安SIMの無制限プランを契約して利用するという方法もあります。
ただこれは、前提条件として自分で端末を用意する必要があり、もし持っていなければ買わなければなりません。
その上、格安SIMはそもそも通信速度が遅いです。
たとえばUQモバイルはWiMAXルーターとセットの「ウルトラギガMAX」を扱う関係か、500kbpsというお話にならない低速ですし、下り最大370MbpsのDTI SIMは実行速度も動画を観られる程度は出ると考えられるものの、次のような注意書きがあります。

引用:dream.jp
1日の通信総量が1GB程度まで、そして制御後は200kbpsというと、WiMAXやワイモバイルの3日で10GBを超えたときの制限よりはるかに厳しいです。
ちなみに、ワイモバイルだったらSIMカードが手に入るのでは?と疑問に思うかもしれませんが、データ通信専用のSIMの取扱自体がありません。
まとめ
月間データ通信量の上限がないポケットWi-Fiには大きく分けてLTEを使うワイモバイルとWiMAX回線を使うポケットWi-Fiの2つがあります。
どちらも3日間で10GB以上使った際には1Mbpsの通信速度制限がかかるため完全無制限とは言えませんが、制限がかからない朝~昼の時間帯にしか使わないなら完全無制限の運用も不可能ではありません。
完全無制限をうたうWiFiサービスは2年間端末をレンタルするというのが解約時の煩雑さを考えるとネックですし、端末のスペックも低いです。
格安SIMの無制限プランは速度制限がWiMAXより厳しい点が圧倒的に不利です。
そう考えると、料金の安さ、サービスエリアの広さ、通信速度の高さ、そして標準の通信モードが無制限の回線であるという点においてWiMAXのほうが優れています。
プロバイダを選べば安く運用できますし、契約解除料も他の回線に比べ安いですので最もバランスが取れているのがWiMAXだからです。
WiMAXを契約するには、次の組み合わせでするのがおすすめです。
- プロバイダ:月額料金が業界最安級のBroad WiMAX
- 端末:W06
- 料金プラン:ギガ放題プラン
キャッシュバックキャンペーンのような余計な手続きが必要なく確実に安くなるほか、連続通信時間が長くバッテリーを交換できる実用的な端末、そして最も重要な月間データ量無制限のプランと、無制限のポケットWi-Fiを安く利用できる要素をそろえました。
WiMAXを使って、データ量に縛られることなく動画やコンテンツを楽しめるモバイルインターネットライフを始めてください。