モバイルWi-FiルーターやポケットWiFiと呼ばれるデータ通信端末では無線によりインターネット回線を利用できることはよく知られているでしょう。
しかし、無線通信のほかにもUSBを利用した通信ができ、USB接続したほうが無線よりも通信速度が速くなったり電波が安定しやすくなったりするといったメリットがあるのです。
無線接続とUSB接続を組み合わせて利用することもできるので、無線接続だけを使うよりも便利で快適にデータ通信を行えますよ。
ポケットWiFiはUSB接続もできる
無線LAN接続の印象が強いポケットWiFiですが、USBポートが搭載されているためUSBケーブルを使用してパソコンやスマートフォンなどを有線接続することもできます。
USBケーブルの種類
USBケーブルにはバッテリーを供給するための充電用と、バッテリー供給とデータ通信を行える充電・通信用があります。
ポケットWiFiでUSBによるデータ通信をする場合には通信用と記載してあるものを選びましょう。
USBケーブルには大きく分けて、USB・mini USB・Micro USBの3種類があり、そのなかでも更に細かい形状の違いがあるため、実際にはもっとたくさんの種類があります。
ポケットWiFiでは機種によってUSBコネクタの形状が異なるので、USBケーブル購入前に製品のスペックを確認しておきましょう。
ちなみに近年発売されているポケットWiFiではUSB2.0や USB3.0が多いです。
USB2.0とUSB3.0の違いは、コネクタの形状だけでなくデータ転送速度の速さにもあります。
USB2.0では最大転送速度は480Mbpsですが、3.0ではその約10倍速い5Gbpsでの速度での転送が可能です。
そして多く使われているのはType-Aという規格でしたが、中にはType-Cという新しいUSB規格を使えるポケットWiFiもあります。
Type-Cにはどんなメリットがあるかというと、まずコネクタの形状が上下関係なくどちらからでも挿せるため差込口を確認する必要がないことです。
さらに従来では製品や機器によってデータ転送と電力供給でケーブルを使い分ける必要がありましたが、Type-Cの場合はこれ1本ですべて完結できるのです。
こういった便利さがあることからType-Cに対応する機器はこれから増えていくでしょう。
ポケットWiFiをUSBで接続する方法
ポケットWiFiと通信機器をUSB接続する設定方法は難しくはありません。
一例としてWiMAXルーターW05でWindowsパソコンへUSB接続する手順をまとめました。
- W05に付属しているUSB 2.0 Type C-A変換ケーブル(試供品)を端末の外部接続端子に差し込む
- パソコンの電源を入れUSB 2.0 Type C-A変換ケーブル(試供品)のもう片方のコネクタをパソコンのUSBポートに差し込む
- パソコンが端末を認識するとCDドライブへの接続を確認するメッセージが表示される
- メッセージを選択し、「AutoRun.exeの実行」を選択する
- 「ユーザーアカウント制御」の画面が表示されたら「はい」を選択する
- パソコンのデスクトップに「Speed Wi-Fi Next setting tool」のショートカットアイコンが表示されたら完了
上記には「Speed Wi-Fi Next setting tool」のインストール方法が記載してありますが、インストールが必要なのは初めて接続する場合のみです。
W05に付属しているUSB 2.0 Type C-A変換ケーブルは、充電のみまたは通信+充電の接続モードがあるので、通信を行う際は通信+充電に設定しているか確認しましょう。
ポケットWiFiと通信機器をUSB接続するメリット
ポケットWiFiは無線接続することが多いですが、USB接続するメリットも様々あります。
無線非対応のパソコンとも接続できる
ポケットWiFiで無線接続する際には、通信する側も無線対応機器でなければなりません。
しかし古いタイプのパソコンでは無線に対応していないこともあるので、パソコンがUSBポートを搭載しているならポケットWiFiとUSBケーブルで有線接続すればインターネットが使えます。
無線非対応の機器でもUSBによってモバイル通信が利用できるのはとても便利ですね。
無線接続よりも通信が安定しやすい
無線によるデータ通信時にはケーブルが必要ないという手軽さはありますが、他の機器などから電波干渉を受ける可能性があることや、通信環境によっては電波が不安定になるという弱点があります。
たとえばWiMAXルーターでおもに利用されているWiMAX2+回線のシステム上の下り最大速度は558Mbpsですが、実際にこの速度で通信できるわけではなく利用する状況によっては半分以下の実効速度しか出せないこともあり得ます。
一方有線接続は機器同士を直接繋ぐため無線接続よりも電波の安定性が高まる、通信速度が向上するという期待ができるのです。
実際にUQ WiMAXの公式サイトでは、USB接続時には380Mbps以上の通信速度を実現していることが公表されていて、最大速度により近い高速通信を楽しめることがわかります。
こういったことからUSB端子のあるパソコンではUSBによる接続を推奨しています。
(参照:http://www.uqwimax.jp/area/safety/)
導入費用がかからない
USB接続時に欠かせないUSBケーブルはポケットWiFiを購入すると付属品としてもらうことができます。
USB接続と同じように有線LANケーブルで有線接続することもできますが、ポケットWiFiには有線LANポートが搭載されていないため、有線LANポートを搭載している別売りのクレードルを購入する必要があります。
クレードルは端末とセット購入またはあとから購入することもできますが、端末が無料のプロバイダでもクレードルは3,000円前後かかります。
同じ有線接続でもUSBなら付属品を利用すれば追加料金を支払うことがないのも嬉しいですね。
ただし最新機種W06ではUSBケーブルは付属しておらず自身で購入する必要があるので注意してください。
USBケーブルは数百円~1,000円程で手に入れることが出来るので、付属していない場合でもクレードルと比べて金銭面での負担は少なく済みます。
ポケットWiFiをUSB接続しても無線接続に影響はない
ポケットWiFiをUSB接続している際に、無線LANで他の通信機器と接続したいという場合もあるでしょう。
そんな場合にはどちらかしか接続できないのではと思うかもしれませんが、結論から言うとUSB接続は無線接続には影響しません。
USB接続と無線接続は同時に利用可能
USB接続と無線接続は同時に利用することができるので、たとえばパソコンをUSB接続しながらスマホを無線LANでWi-Fiに接続するという使い方もできます。
わざわざUSB接続を解除しなければならないということはなく、手間がかからないのは嬉しいですね。
USB接続時はポケットWiFiの同時接続台数にカウントしない
ポケットWiFiは機種によって最大何台までの通信機器と接続できるのか決まっています。
製品のスペックに記載してあり、多くのポケットWiFiが同時接続可能台数10台までとなっています。
実はこの同時接続台数というのは無線LANで接続できる通信機器の数なので、USB接続した機器はカウントされません。
そのため10台の通信機器を無線で接続している場合でも、新たにUSBによる接続はできるため合計で11台の機器と接続することも可能です。
無線接続では接続する通信機器が増えるほど通信が不安定になりやすいデメリットがありますが、ポケットWiFiと直接繋ぐことができるUSB接続ではそういった環境でも安定した通信ができるのも魅力的ですね。
まとめ
無線LAN端末として知られるポケットWiFiですが、USBポートを搭載しているためUSBケーブルを利用した有線接続も可能です。
注意点としてUSBケーブルには様々な種類があるので、ポケットWiFiの機種に合ったもので、通信用と記載されているものを選ぶようにしましょう。
ポケットWiFiとのUSB接続方法は難しくはありませんが、最初にUSB接続する際はアプリのインストールが必要となります。
USB接続は無線接続よりも通信が安定しやすい、無線対応機器でなくてもモバイルネットワークが利用できるというメリットがあります。
さらに無線通信に影響を及ぼすことはないので、USB接続しながら他の機器を無線通信することもできます。
ポケットWiFiの無線とUSBによる接続を上手に併用しながら使うと、より便利で快適なインターネット環境を手に入れることができますよ。