ワイモバイルの特徴!アドバンスモードで知るべき3つの知識

自宅でも外出先でも1台のポケットWiFi端末で高速通信が行えるWiMAXとワイモバイル。

いずれも使い放題のプランが存在するのでサービス選択の際の比較対象になるサービスですが、その違いを具体的に把握されている方は少ないのではないでしょうか。

WiMAXは標準でデータ利用量に上限のないプランが存在し、かつ多彩なサービスを行うプロバイダがあるので選択肢が多いのが特徴です。

一方Y!mobile(ワイモバイル)はCMでもおなじみの格安スマホを提供している会社ですが、ポケットWiFiなどの通信サービスも手掛けています。

結論から言えば、ワイモバイルのポケットWiFiをおすすめできるのは一部のライトユーザーに限られ、その他の場合にはWiMAXのほうがお得になることがわかりました。

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ワイモバイルのポケットWiFiの特徴

ワイモバイルはスマートフォンやタブレット、ポケットWiFiなどを提供している事業者です。

元々はイーモバイルという名前で運営していましたが、2014年にウィルコムを吸収合併した後にワイモバイルのブランド名に統一され、ソフトバンクの子会社となりました。

ワイモバイルのポケットWiFiはどんな特徴があるのかまとめました。

ポケットWiFiの機種によってプランが決まっている

ワイモバイルでは選ぶ機種によって料金プランが指定されていて、プランは3通りあります。

2019年4月現在のワイモバイルのPocket WiFiプランを表にしました。

プラン名Pocket WiFi
プラン2ライト
Pocket WiFiプラン2Pocket WiFi海外データ定額
月額料金2,480円3,696円3,980円(海外利用料は別途90円/日)
月間データ量5GB7GB海外・国内で7GBずつ
対応機種601ZT、506HW801HW、603HW、502HW701UC

ワイモバイルでは国内だけでなく、海外でもポケットWiFiをそのまま利用できるプランを提供しています。

基本の月間通信容量は5GBまたは7GBで、上限を超えた場合は最大128kbpsへ低速化する通信速度制限がかかり、Webサイトの閲覧すらままならなくなってしまいます。

速度制限を解除する方法は500MBごとに500円でデータの追加購入がありますが、利用料金が高額化する可能性があるので注意しなければいけません。

ただしPocket WiFiプラン2でアドバンスオプションを利用すれば月間容量無制限で高速通信を楽しめるメリットがあります。

アドバンスオプションで月間データ量上限なしにできる

月間利用通信量が各プランの上限を超えた場合は通信制限がかかり、月末まで低速化されたままになってしまいますが、Pocket WiFiプラン2の場合アドバンスモードを利用すれば7GBを超えても通信制限にかかることなく高速データ通信を楽しめます。

Pocket WiFiプラン2でアドバンスモードを利用する場合は、アドバンスオプションに加入が必要で月額684円のオプション料金が別途発生するため、合計4,380円の月額料金になります。

アドバンスモードとは?

アドバンスモードとは、ワイモバイルの一部ポケットWiFiルーターで利用できる通信モードのことで、AXGP、TDD-LTEの通信方式にて通信量を無制限に使用することができます 。

もう1つの通信モードである標準モードでは、3G、LTE、AXGPの通信方式でデータ通信量を7GB消費すると通信速度が128Kbpsに制限されてしまいます。

128Kbpsの通信速度では、インターネット動画の視聴はもちろん画像を多く含むWebサイトの閲覧さえも時間がかかるためスムーズなデータ通信を行えるとはいえません。

しかしアドバンスモードであれば7GBを超えても引き続き高速通信を行うことが可能なので、このような問題に悩まされることなくプライベートや仕事でもデータ容量の大きい通信を頻繁に行うことができるのです。

アドバンスモードが利用する2つの通信方式

ワイモバイルのポケットWiFiで利用できるアドバンスモードでは、AXGPとTDD-LTEの2つの通信方式にて通信を行うことができます。

LTEのことは知っているけどAXGPという言葉は初めて耳にした、なぜLTEの前にTDDが付いているのかと思うことがあるでしょう。

ネット上ではAXGPとTDD-LTEはほぼ同じと言われることがありますが、実際はTDD-LTEはAXGPに内包されている通信規格となります。

アドバンスモードに関して理解するためにも、2つの通信方式の違いについて知っておくとよいですね。

AXGP

AXGPとは、小型基地局を数百mごとに細かく設置して1つの基地局に集中する利用者を分散させる「マイクロセル方式」とアドバンスモードのもう1つの通信方式である「TDD-LTE」を採用した通信方式「XGP」を改良して高速化させた通信規格のことです。

もともとAXGPは、PHS会社のWILLCOMが「次世代PHS」としてXGPを開発したことが始まりで、2010年の経営破綻に伴いワイモバイルと同じソフトバンクグループ傘下の電気通信会社Wireless City Planning(WCP)がXGPを継承しAXGPとしてサービスを開始しました。

そして現在ワイモバイルがWCPのMVNOとしてAXGPの通信方式を提供しています。

また、AXGPは2.5GHzの高い周波数帯を利用して電波を届けていることから、伝送容量の大きい通信が可能な一方、電波の直進性が強いため建物などの障害物を回り込む力が弱く電波の到達距離が短いという特徴があります。

TDD-LTE

TDD-LTE(時分割複信)とはAXGPに採用されている通信規格のことで、アップロードにあたる「上り」とダウンロードにあたる「下り」の通信に同じ周波数帯を使用して短時間ごとに分割することで、必要に応じて上りと下りに充てる周波数帯の割合を切り替えられる通信技術です。

例えば、上りのアクセスが集中しているときは上りに使用する周波数の枠を増やし、下りにアクセスが集中しているときは下りに使用する周波数の枠を増やすことができます。

このように上りと下りに使用する周波数を調整することで、アクセス集中による通信障害を防いで円滑な通信を行うことが可能となります。

ちなみに、よく耳にする通信方式のLTEとは、上りと下りの通信に別の周波数帯を使用して二重に通信を行うFDD-LTE(周波数分割多重)という通信技術を採用している通信方式のことです。

上りと下りの周波数帯の間にガードバンドという使用しない周波数帯を設けているため通信の衝突を防いでスムーズな通信を行うことができます。

AXGPに採用されているTDD-LTEとLTEに採用されているFDD-LTEは、同じLTEですが通信の仕組みがこのように全く異なるのです。

3つの注意点

アドバンスモードは通信量を無制限に使用できる通信モードですが、利用するにあたって以下3つの注意点があります。

  • 2つの通信速度制限
  • サービスエリアが狭い
  • アドバンスオプション料金が発生

2つの通信速度制限がある

アドバンスモードには以下2つの通信速度制限が設けられています。

通信量は無制限でも一定量の通信を超えると通信速度が低下してプライベートや仕事の面で支障をきたす可能性があるので、快適なインターネット通信を行うためにも適用条件について把握しておくとよいですね。

標準モードで7GBを超えたら無制限ではなくなる

通信量を無制限に使用できるアドバンスモードですが、最も注意しなければならないのが標準モードで7GBのデータ通信量を消費した場合です。

ワイモバイルのポケットWiFiは、標準モードでの通信上限を7GBと定めているため、これに達すると速度制限が適用されて通信速度が128Kbpsに低速化しますが、実は同時にアドバンスモードも制限対象となります。

そのため、標準モードのデータ使用量が7GBに達した後にアドバンスモードに切り替えたとしても既に無制限に使用できない状態となっているので、通常速度で通信をおこなうようにするには制限が解除される翌月まで待たなければなりません。

通信速度制限後の通信速度は、500MBごとに500円の追加料金で元に戻すことが可能ですが利用料金が割高になってしまいます。

そのためワイモバイルのポケットWiFiで通信量を無制限に使用するためには、標準モードでデータ使用量が7GBに達する前にアドバンスモードに設定、または日頃からアドバンスモードを使用するようにしておくとよいでしょう。

3日10GB制限がある

ワイモバイルはアドバンスモードで通信量を無制限に使用できる代わりに、回線の混雑を避けて通信速度を確保するために3日10 GB制限を設けています。

3日10GB制限とは、前日までの3日間でデータ通信量を10GB消費した場合に当日18時から翌日1時にかけて通信速度を下り最大1Mbpsに制限するというものです。

ただ3日10GB制限は、制限時間外である日中は実質無制限にデータ通信を行えるうえ、通信速度が適用されて下り最大1Mbpsになっても、ワイモバイルは標準画質のYouTube動画を視聴できる程度の通信速度を提供しています。

また3日間で10GBもあればデータ通信容量の大きい高画質のインターネット動画を1日約5時間、LINEやSkypeのビデオ電話を1日約10時間も楽しむことができます。

そのため3日10GB制限は適用条件が緩く、制限後でも引き続きインターネット通信を行うことができるといえます。

サービスエリアが狭い

アドバンスモードが利用できるのは通信方式AXGPの提供エリア内に限定されています。

主要都市はアドバンスモード対応エリアにほぼ含まれていますが、それ以外の地域では標準モードのサービスエリアよりも狭いのがデメリットとなります。

せっかくアドバンスオプションに加入しても使いたい場所がエリア外だと意味がありませんよね。

また前にも述べたように、AXGPは高い周波数帯を利用していることから電波の到達距離が短いため、プラチナバンドと呼ばれる低い周波数帯を利用しているLTEよりもつながりやすさが劣ります。

そのためAXGPの通信エリアしか利用できないアドバンスモードは、LTE通信を行える標準モードよりも圏外となる場所が多くなることに注意しておきましょう。

アドバンスオプション料金が発生する

アドバンスモードで通信量を無制限に使用するためには月額684円のアドバンスオプションに加入する必要があります。

ただしワイモバイルで用意されている4つのポケットWiFiの料金プランのうち、アドバンスオプションに加入できる対象プランは月額3,696円で月間データ通信量7GB上限の「Pocket WiFiプラン2」のみです。

そのためポケットWiFiを通信量無制限に使用したい場合は月額料金が4,380円となります。

ワイモバイルがおすすめの人

ポケットWiFiは、パソコンのネット利用にも対応しなくてはいけません。

ですから、たくさんデータが利用できるPocket WiFiプラン2にアドバンスオプションをつけるのが断然オススメです。

しかしワイモバイルには、WiMAXにはない月間データ通信量が5GBまでのプランと海外でも同じ端末を利用できるプランがあります。

現状月に5GBも利用しないのならば、ワイモバイルの「Pocket WiFi プラン2ライト」を契約したほうが安く、かつ通信品質もエリアもスマホと変わらず便利に使えます。

また毎月頻繁に海外と行き来するのなら、ワイモバイル独自のプラン「Pocket WiFi海外データ定額」を利用すれば旅行や出張のたびにポケットWiFiをレンタルする手間もありません。

また、屋内利用もWiMAXよりワイモバイルがつながりやすいと言われています。

SoftBankのプラチナバンドのおかげでWiMAXでは繋がらなくても、ワイモバイルなら利用できる箇所も少なくありません。

データ量よりも繋がりやすさ重視なら、ワイモバイルを選ぶこともひとつの選択といえます。

まとめ

ポケットWiFiのプロバイダで代表的なワイモバイルは、高速通信を上限なしで使える一方小容量しか必要としない場合にオトクなプランがあるのが特徴です。

ワイモバイルは5GB上限のプランが安く、また他の会社にはない国内でも海外でも1つの端末をシームレスに使えるプランがあることから、小容量しか使わないあるいは海外にしょっちゅう行くなどの事情があるならこちらのほうが適しています。

しかし一度5GBのプランを契約してしまうと、一旦解約しない限り7GBのプランに変更することができないのがネックです。

Pocket WiFiプラン2で利用できるアドバンスモードとは、通信量を無制限に使用できる通信モードのことです。

しかしアドバンスモードは標準モードで7GBを消費すると通信量が無制限でなくなるほか、高い周波数を利用しているAXGPの通信方式にてデータ通信を行うため、標準モードよりも対応エリアの範囲が狭いなどの注意点があります。

ただ、これらの注意点に気をつけて通信を行えば制限が適用されたり、データ量を追加して月額料金が割高になったりすることなく、思いきりインターネット通信を楽しめるでしょう。

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15年以上様々なモバイル回線を使ってきた経験から、あなたが自分に合った回線をお得に使えるよう、複雑な契約の中身をわかりやすくお伝えします。

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