大手携帯キャリアのauではスマートフォンや携帯電話サービスだけでなく、固定回線のauひかりといったインターネット回線サービスも手掛けています。
また、工事不要で光回線よりも手軽なモバイル回線のWiMAX通信サービスもauで取扱いしているのです。
特にauスマホユーザーならWiMAXルーターをセットで使用すると割引が適用されるのでauショップで勧められてそのまま契約しようと思う場合もあるでしょうが、結論から言うとauでWiMAXを契約するのはおすすめできません。
もちろんauでWiMAXを契約するメリットはありますが、それよりもはるかにデメリットのほうが多いのです。
auで契約できるWiMAXと他社プロバイダとはどんな違いがあるのかを把握しておきましょう。
auで契約できるWiMAXのプラン内容
auはWiMAXサービスの提供元であるUQコミュニケーションズと同じKDDIグループなので、auショップ店頭にて下り最大1.2Gbpsの高速通信が楽しめるモバイル通信サービスのWiMAXを契約することができるのです。
契約プランはモバイルルーター専用の「WiMAX2+フラットfor DATA EX」「WiMAX2+フラットfor DATA」、ホームルーター専用の「WiMAX2+フラット for HOME」の3通りから選べます。
どの料金プランも契約期間を2年間と定めているので、契約更新期間以外で中途解約した場合は税抜10,450円の違約金が発生することに注意しましょう。
WiMAX 2+フラットfor DATA EX
WiMAX 2+フラットfor DATA EXは月間通信容量に上限のないプランで、UQコミュニケーションズなど他のWiMAXプロバイダのギガ放題プランに相当します。
月額料金は4,880円です。
このプランは月間通信使用量を気にせずにインターネット通信を使い放題で楽しめるメリットがあります。
しかし回線の混雑を避けるためにハイスピードプラスエリアモード利用時の月間7GB制限や3日間10GB制限の2つの通信速度制限が設けられています。
まずハイスピードプラスエリアモードとは、LTE対応機種を使用している場合にWiMAX2+回線とau 4G LTE回線を併用してデータ通信を行う通信モードのことです。
特別な申し込みは不要で通常ハイスピードモードとなっている通信モードをハイスピードプラスエリアモードに切り替えることでLTE通信を利用できるため、WiMAX2+のサービスエリア外やLTEの電波しか届かない場所ではとても便利なオプションサービスと言えます。
ただしハイスピードプラスエリアモードで通信を行えるのは月間7GBまでと決まっており、上限を超えると当月末まで最大速度が128kbpsに制限されます。
この通信速度制限がギガ放題プランで適用されると、月間通信量に上限のないWiMAX2+通信も制限の対象となるのでLTEオプションを利用する場合は絶対に7GBを超えないようにしてください。
なおハイスピードプラスエリアモードを利用して通信を行った月にはLTEオプション料1,005円が加算されるので気を付けましょう。
一方3日間10GB制限とは3日間に使用した通信量の合計が10GBに達した場合に速度制限されるというものです。
ただ3日10GB制限は通信制限の中でもルールが緩く、適用されたからと言って通信が全く行えなくなるわけではありません。
この速度制限が適用されるのは3日間でデータ使用量が10GBに達した翌日18時頃から翌々日2時頃までなので、それ以外の時間帯は通常通りの速度でデータ通信を行うことができますし、制限速度も最大1MbpsとYouTube動画の標準画質を視聴できるレベルはあるのでそこまでストレスを感じることはないでしょう。
また3日間に使用できる通信量が10GBもあれば、YouTubeの高画質動画を1日平均5時間も視聴できるので、プライベートや仕事などでデータ容量の大きい通信を行う場合でも消費した通信量を日次通信量カウンターなどで確認しながらWiMAX2+通信を行えば制限にかかるリスクは減ります。
そのためWiMAX 2+フラットfor DATA EXは、通信量の上限を気にせずに思いきりインターネット通信を行いたい人に向いていると言えます。
WiMAX 2+フラットfor DATA
WiMAX2+フラットfor DATAは、月間通信量7GBの上限があるプランで、UQコミュニケーションズなど他のWiMAXプロバイダのいわゆる通常プランに相当します。
月額料金は4,196円です。
このプランはスマホの定額プラン同様、月間通信量の合計が上限である7GBに達した場合、速度制限が適用され当月末までWiMAX回線速度が128kbpsへと低下します。
そのためWiMAX 2+フラットfor DATAは安くWiMAXを使用することはできますが、インターネット通信を頻繁に行う場合すぐに通信制限にかかる可能性があるのです。
ただ普段はデータ容量の小さいメールのやり取りやWebサイトの閲覧程度で、そこまで通信量を必要としないというのであれば通信料金を抑えることもできるお得なプランと言えます。
WiMAX 2+フラットfor HOME
WiMAX 2+フラットfor HOMEは月間通信容量に上限のないプランで、ホームルーター用の契約プランです。
プラン内容はWiMAX2+フラットfor DATA EXと同じで、月額料金も同じく4,880円となっています。
ホームルーターは持ち歩いて利用するモバイルルーターとは違い、自宅や小規模オフィスなど決まった場所でしか利用しないので設置する場所がWiMAX2+エリア内ならLTEオプションを使う機会はほとんどないでしょうが、ハイスピードプラスエリアモード利用時にはオプション料がかかるほか月間7GBの上限が設けられるので注意しましょう。
端末のラインナップ
WiMAXプロバイダによって契約できる端末は異なりますが、auではモバイルWiFiルータータイプではW06、W05、WX05の3機種を取り扱いしています。
そしてホームルータータイプではHOME01、L02、L01sの3機種の取り扱いがあります。
なかでも最新モバイルWiMAXルーターW06は下り最大速度がUSBでの有線接続で1.2Gbps、無線接続時でも867MbpsとWiMAX最速の端末でおすすめです。
端末のラインナップは本家UQ WiMAXと変わらず豊富なのが嬉しいですね。
auでWiMAXルーターを契約するメリット
auショップでWiMAXを契約すると以下2つのメリットがあります。
エクストラオプションで通信制限なく利用できる
エクストラオプションとは、月間データ容量を超えた場合自動的に2GBのデータ通信量が追加されるau独自のサービスです。
例えばWiMAX2+フラットfor DATAの上限である7GBやWiMAX2+フラットfor DATA EXのハイスピードプラスエリアモードで7GBを消費した場合でも速度制限が適用されることなく引き続き高速インターネット通信を行うことができます。
地方や郊外などでWiMAX2+通信がつながりにくい場所でインターネット通信を頻繁に行う場合は、通信制限を気にすることなくハイスピードプラスエリアモードのau 4G LTE通信をたっぷり行えるので助かりますね。
ただしエクストラオプションは有料オプションである点に気をつけなければなりません。
2GBごとに2,500円加算される点に注意
エクストラオプションを申し込んだ場合、データ通信量を使いすぎた場合でも制限にかかることなくインターネット通信が行えるメリットがありますが、このオプションは有料なのでデータ量2GB追加されるごとに2,500円が課金されます。
また一度オプションに加入すると使用データ量が上限に達するごとに自動で2GBのデータ通信量が追加されるので、何も考えずにデータ容量の大きい動画視聴などを行っていると2GBのデータ量が何度も自動で追加されるので、知らないうちに請求金額が高額になるという注意点があるのです。
なお速度制限が適用される上限に達しない場合は自動でデータ容量が追加されることはありませんので安心してください。
このようにエクストラオプションは通信制限の心配をしたくない場合にはとても便利なサービスですが、高額な請求が発生する可能性があるので加入した後は消費したデータ通信量を自己管理して何度も自動加算されることを防ぐようにしましょう。
auスマートバリューmineが使える
auスマートバリューmineとは、auのスマホまたはケータイの指定データ定額プランとモバイルWiFiルーターを同時に利用しているユーザーを対象にau携帯料金から毎月最大1,000円を値引きする割引サービスです。
そのためスマホとWiMAXを併用している場合、他キャリアのスマホを利用している人よりもauスマホを利用している人の方がお得になります。
ちなみにauスマートバリューmineはauだけでなく他社WiMAXプロバイダで契約した場合でも利用することはできますが、auスマートバリューmineへの加入申し込みはauショップまたはKDDIお客様センターにて行う必要があるので気を付けてください。
そのためauでWiMAXを契約すれば店頭で同時にauスマートバリューmineへの申し込みが可能なのでスムーズに手続きを済ませることができるでしょう。
ホームルーターの契約でハイスピードプラスエリアモードの利用上限がアップ
据え置き型のホームルーターL02、L01s、HOME01をauで契約し、かつauスマートバリューに加入すると、通常7GBまでしか使えないハイスピードプラスエリアモードが30GBまで利用可能になります。
またルーター単独で契約した場合よりも月額料金が大幅に下がり4,292円になるのです。
auスマートバリューmineとauスマートバリューの差は、ポケットWiFiを契約するか、ホームルーターまたは固定回線を契約するかの差だけで、auスマホやケータイの料金の割引額には差がありません。
WiMAXはauでの契約をおすすめしない
auでWiMAXを契約するメリットは2つありましたが、実はそれよりもデメリットのほうが多いのでWiMAXは他のプロバイダで契約するのがおすすめです。
auのWiMAXは他社より割高
WiMAXをauで契約する一番のデメリットと言えるのは料金設定が高いことです。
他プロバイダのギガ放題プランの料金を表にしました。
プロバイダ名 | UQ WiMAX | Broad WiMAX | GMOとくとくBB | カシモWiMAX |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 3,880円 | 0~2ヶ月目まで2,999円 3~24ヶ月目まで3,752円 25ヶ月目以降4,412円 | 0~2ヶ月目まで3,969円 3ヶ月目以降4,688円 | <最安級プラン> 初月無料 1ヶ月目1,518円 2~24ヶ月目3,480円 25ヶ月目以降4,079円 |
端末代金 | 有料 (15,000円) | 無料 | 無料 | 無料 |
キャッシュバック | 無し | 無し | 有り (約33,000円) | 無し |
契約期間 | 2年 | 3年 | 3年 | 3年 |
他社のギガ放題プランにあたるauのWiMAX 2+フラットfor DATA EXプランの月額料金は4,880円です。
料金比較するとUQ WiMAXはauより月額料金が安いものの高額な端末料金がかかるのでおすすめできません。
一方Broad WiMAXやカシモWiMAXだと月額料金割引キャンペーンを実施していて24ヶ月目まではauより毎月1,000円以上安くなるうえ、端末代金も無料になることが分かります。
また、GMOとくとくBBは3ヶ月目以降がauと同じくらいの月額料金なので高く感じますが、実は契約して約1年後には高額キャッシュバック特典を受け取れるので結果お得にWiMAXを利用できるのです。
2019年10月現在のキャッシュバック額は最大34,500円ですが、毎月金額が変動するので気を付けましょう。
他社プロバイダのようにauやUQ WiMAXはお得なキャンペーンを行っておらず割高になるので、安く利用できるプロバイダを選ぶのが一番おすすめです。
auスマートバリューmineはau以外でも適用可能
auスマホユーザーがお得になる割引サービスのauスマートバリューmineはauショップ以外でWiMAXを契約した場合も適用可能です。
そのためau利用者でもあえてWiMAX契約までa2uで行う必要はありません。
ただプロバイダによってはauスマートバリューmine対象外となる場合もあるので、各プロバイダ公式サイトなどで契約前に確認しておきましょう。
上記で記載したプロバイダのなかではカシモWiMAX以外は全てauスマートバリューmineへ加入することができます。
前述したようにauスマートバリューmineはどのプロバイダでWiMAX契約しても、auショップかKDDIお客様センターにて申し込みをしなくてはいけないので、auユーザーは忘れずに手続きをしてください。
店頭で手続きするので時間や手間がかかる
auでWiMAX契約する場合は店頭にて手続きが必要なので、営業時間内に行く必要があるほか、土日など混雑する日には待ち時間が1時間以上かかることもあります。
一方他のWiMAXプロバイダでの契約方法は、ほとんどがインターネットからの申し込みとなり自宅にいながら手続きができるのでわざわざ店頭に出向く手間も省けますし、移動時間や仕事の休憩中など空いた時間を有効活用することができます。
オンライン契約だと直接店員から説明を受けられないので不安という場合もあると思いますが、各社電話サポートやメールで質問ができるようにしているので安心してください。
LTEオプション無料プランがない
WiMAX対応エリア外などでネット接続する際に便利なLTEオプションは、通常1,005円のオプション料金がかかるサービスですが3年契約プランを選ぶと無料で利用可能できます。
しかしauのWiMAX料金プランは2年契約しかないので、auスマートバリューmineまたはauスマートバリューに加入しない限り、ハイスピードプラスエリアモードを利用した月は必ずオプション料が加算されます。
一方他のプロバイダなら2年契約だけでなく3年契約を選択できる場合もあるので、LTE通信を頻繁に行うなら3年契約プランでオプション無料となるほうがお得です。
2年契約しか選べないのは契約縛りの期間が短く済む半面、LTEオプションを使う非auユーザーにとってはデメリットにもなり得ますね。
通信品質はどこで契約しても同じ
WiMAXの本家であるUQ WiMAX以外のプロバイダで契約する場合、通信速度や通信エリアの広さが異なるのではないかと不安に思うことがあるかもしれません。
しかしauを含めたWiMAXプロバイダは全てUQコミュニケーションズからWiMAX回線を借りてサービスを提供しているのでサービス内容自体はUQ WiMAXと同じです。
そのため通信速度制限はもちろん、通信品質なども他社プロバイダと同じ内容でWiMAXを使用することができるので安心してください。
どこで契約しても品質が全く同じならば、できるだけ安く済むプロバイダを選ぶのが第一条件となるでしょう。
ただ例外は、L01s、L02、HOME01を契約してauスマートバリューに加入した場合です。
ハイスピードプラスエリアモードの利用可能量が30GBまで増量されるため、WiMAX2+の通信状況が悪い日があってLTE通信を利用したり通信モードの切替忘れがあったりしても通信速度制限にかかりにくくなりますので安心です。
まとめ
UQコミュニケーションズと同じKDDIグループのauではauショップ店頭にてWiMAXサービスの申し込みを受け付けており、月間通信量使い放題プランまたは月間通信量7GB上限のあるプラン、そしてホームルーター専用プランを契約することができます。
auのWiMAXでは速度制限が適用される前に2GBのデータ量を自動追加できるエクストラオプションを用意しているなどメリットもありますが、auでWiMAX契約すると他のWiMAXプロバイダで契約するより通信費が高くなりますのでおすすめできません。
auユーザーがWiMAXを申し込むと月々の利用料金から最大1,000円が値引きされるauスマートバリューmineはほとんどのWiMAXプロバイダで適用できるので、あえてauでWiMAXを契約する必要はないでしょう。
例外はauユーザーが新たにL01sかL02、HOME01を契約する場合だけで、この場合はハイスピードプラスエリアモードが30GBまで利用できて料金もWiMAXプロバイダ並みですので、ハイスピードプラスエリアモードの拡張が魅力的ならば選択する価値はあります。
お得にWiMAXを使うならauユーザーであってもauショップで契約するのではなく、キャンペーンやキャッシュバックを実施しているお得なプロバイダを選ぶのがおすすめです。